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今、私はこの共和工業所で
あの頃の自分のような
新しい仲間に出会えるのを
楽しみにしている。

あれから時を経て
自ら考え動ける自由で働きやすい環境は
若手も活躍できる場所を作り出し
ニーズに応えるモノづくりは
やりがいと達成感をもたらす。

帰路に着く頃には
自分が一人の人間として求められている
と感じられた。

そう思った時
私の中で歯車が回り出した気がした。

モノづくりの哲学がここにある。

共和工業所のモノづくりについて聞くと
ほとんどが一品一様。
ひとりひとりのお客様に応える
だからひとつひとつ違うのだ。

小さい会社だと先輩とか厳しいのかな…
しかしこれも違った。
優しくて頼りがいのある言葉で
不安を取り除いてくれる。
またひとつ気持ちが動いた。

職人気質の気難しい人ばかりだったらどうしよう…
しかしそれは杞憂だった。会う人みんなに
「こんにちは！」
と笑顔で挨拶され驚いた。

そんな軽い好奇心と不安を抱えて訪れた工場見学。
でもそこで予測もしなかった変化が自分に起こるとは
その時知る由もなかった。

「なんか、面白そう。」

その会社は地元岡山にある会社だった。
小さい会社だけどハルドックスと言う
他にはない独自の素材と加工技術があり
自社で一貫したモノづくりをしているらしい。

そんな時友人から
「面白そうな会社があるから、一緒に受けてみないか」
と誘われた。

でも昔からコツコツ積み上げることは好きだった。
「モノづくりがしたい。」
漠然とそう思っていた。

まわりから大手企業を受ける話が
ちらほら聞こえてくる様になっても
正直自分は研究者の道も
大企業で人にのまれ働くことも
想像できなかった。

「合わなければ辞めればいい。」
そんな気持ちで就職活動をしていた。